生活の批評誌

「生活の批評」を集める、大阪を拠点とする雑誌です。

生活の批評ラジオ(仮)第6回 ゲスト:宇野湧さん

 

生活の批評誌編集部が非実用品店めだかにてお送りする「生活の批評ラジオ(仮)」第6回のお知らせです。

気づけばちょうど半年…ですか。続きましたねえ。
いろんな人とラジオ名目でお近づきになれて嬉しい限りです。前回の小澤さんの告知の際にブログを書いて楽しかったので、今回も書くことにします。

 

さて、第6回のゲストは、
【陶芸民主化ハンドブック「デモクラポタリー」】を提唱する、宇野湧さんです。

 

nyax6yousaylunch.wixsite.com


宇野さんは先日、
非実用品店めだかで開催した生活の批評誌no.4の即売会に来てくださり、批評誌を買ってくれました。その時は陶芸をやっている、っていうこととか、表紙デザインのいいことみさんと知り合いであることとか、他愛もないことをお話してさよならしたのですが(めちゃくちゃ楽しそうに非実用品を見る姿が印象的でした)、お帰りになったあとTwitterのプロフィールを拝見したら、陶芸民主化ハンドブック「デモクラポタリー」との文字が書いてあり、こりゃなんだ?!と。

 

nyax6yousaylunch.wixsite.com


陶芸民主化ハンドブック「デモクラポタリー」。どうやら宇野さんのプロジェクトのようで、サイトには、「施設や設備に頼らず独立した環境で陶芸ができる方法を探求します。そうすることで、実質的に陶芸に携わる人だけでなく誰もが陶芸をできるようになると考えております。」との説明書きが。ソフトに言えば、「陶芸は誰にでもできるよ!」ということであることは確からしいのだけど、それだけでは受け取らせない、どちらかといえば、「陶芸ができる自由を!」と強く呼びかけるような声明文のようにも読めてしまうのです。

 

人がなにかを行うとき、だれかの協力によって物事は進行します。ですが、環境や制約によって叶わないこともあります。どの分野でも往々にしてあるとは思いますが、たびたび、極端な理想が制約によってハネられます。

 陶芸分野での見聞を挙げますと、窯の設置や土の注文の際、たいてい知識や経験を蓄えた業者に相談します。ただ、相談者は業者がある程度しつらえたものを選ぶことが多いです。このような関係性は陶芸教室にもみられます。焼成や材料費、受講時間等の制約によって制作が制限されるように、運営側の出す条件と体験者側の希望に折り合いがつけられることがあります。似たような例は、職業訓練校や芸術大学といった機関にもあります。(※3ただ、このようなことを意識されてか、近藤南さんは、そういった制約を出来るだけ抑えた「フリースタイル陶芸」を活動されています。特に、体験者がなにをつくるかという点を大事にしているように見受けられます。)

 こうした陶芸界隈の関係性について、心の底で違和感を覚えていました。私は芸術大学に在籍しているのですが、幾らかの制約に加え、新型コロナ感染症による影響でますます制約が増えました(もちろん大学の数々の対応には感謝しています)。どんな分野でも何かと制約はついてまわるので仕方のないことですが、なるべくフリーな環境をつくりたいと常々考えていました。

 こういった経緯をへて、陶芸界隈における環境や、些か上下のある関係性から解放されたいという気持ちと昨今の状況が重なり、私はデモクラポタリーを考案することとなりました。そして、これは対等な関係性によって成り立つものと考え、また、誰かと協力して叶えたいと思うようになりました。デモクラポタリーという活動は、新型コロナ感染症による状況への応答であり、陶芸界隈の環境や関係性から自身を解放しようとする行為なのです。また、だれかと私が対等な関係のうえで協力し、一から物事を行う相互的な取り組みです。

 ーー宇野湧「デモクラポタリー(陶芸の民主化)の発表にあたり、経緯や活動の目的についてお話しします。」より。下線引用者。

https://nyax6yousaylunch.wixsite.com/unou/statementaboutdemocratizepottery

 

 

ここまで読んで、「民主化」という一見不釣り合いな仰々しい形容詞に納得します。「誰にでも陶芸はできるよ!」といった”誰にでも開かれた陶芸”の手放しの提唱ではなくて、ここには、”ではなにが不可能にさせているのか?”という問題意識が込められているように思います。一見「対等な関係性」、かのように見える、何かを生み出す行為の中にある、束縛やヒエラルキー。個人の努力のように見えて、環境が左右しているもの。「陶芸ができる自由」は、なんらかの不断の努力を必要としてしまうのかもしれません。危うい時代、自由に物を書き、届けることがそうなってしまうように。そうして、それを、私たちの手に取り戻そうという運動なのであれば、これは是非お話を聞いてみたい!ということで開催します。

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生活の批評ラジオ(仮)第6回

ゲスト:宇野湧さん

日時:10月31日(土)18時〜19時(ツイキャスにて放送)

場所:非実用品めだか (京都府京都市上京区突抜町434−2)

★公開生放送予定!ぜひ来てね

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